「今さら料理動画で上場?」クラシルのdely、15兆円「販促市場」で急成長していた
日本の料理動画サービス「クラシル」を展開するdelyが、2022年12月に上場を果たしました。CEOの堀江裕介氏は、料理動画だけでなく多様なサービスを展開し、急成長していることが注目されています。特に、クラシルは2025年3月期には126億円の売上を見込んでおり、その成長の背景には独自のプロモーションモデルがあるといいます。
堀江氏によると、クラシルリワードというポイント還元サービスは、消費者とメーカーの両方に利益をもたらす仕組みです。ユーザーはアプリを通じてポイントを獲得し、メーカーは売上に応じて支払う仕組みとなっているため、無駄がなく高い還元率を実現しています。このリワードシステムは、従来のテレビCMに代わる新たな販促手段として注目されており、特に食品企業との提携が進んでいます。
また、delyは人材サービスやライバー事務所の買収を進めており、これによりさらなるマーケット拡大を図っています。堀江氏は、クラシルの経済圏を拡大し、他の業態とのシナジーを生み出す戦略を描いています。特に、ライブコマースや人材サービスは、デジタル時代の新たなビジネスモデルとして期待が寄せられています。
一方で、クラシルの成長には課題も存在します。競争が激しいレシピ動画市場では、クックパッドなどの既存企業との競争が避けられず、今後の戦略が鍵を握るとされています。特に、LINEヤフーとの関係性がどのように進化するのか、業界内での競争にどう影響を与えるのかが注目されています。
delyの急成長は、日本のスタートアップ企業がどのように新たな市場を開拓し、プロモーション方法を革新しているかを示す好例です。堀江氏の経営哲学やビジョンも大きな要因であり、今後の展開に期待が寄せられています。クラシルの成長は、今後の日本のデジタルビジネスの行方を占う重要なポイントとなるでしょう。