若い音楽家のための国際テレビコンクール「くるみ割り人形」が注目を集めています。このコンクールは、特に日本の若手音楽家吉村ひまりさんの参加によって、多くの話題を呼んでいます。今回のコンクールでは、吉村さんの審査員としても知られる2人の著名な音楽家、ザハルブロン氏とダビドゲリンガス氏が特別な演奏を披露しました。
ザハルブロン氏は1947年にカザフスタンで生まれ、ウクライナの音楽学校でバイオリンを学びました。その後、モスクワ音楽院で著名なバイオリニストたちに指導を受け、現在はスイスでバイオリンアカデミーを運営しています。彼は2002年のチャイコフスキー国際コンクールや2004年のジュネーブ国際音楽コンクールなど、多くの国際的なコンクールで審査員を務めるなど、音楽教育者としても高い評価を受けています。
一方、ダビドゲリンガス氏は1946年にリトアニアで生まれ、チェロ奏者として国際的に知られています。1970年にはチャイコフスキー国際コンクールで優勝し、その後は世界各国で演奏活動を行っています。彼もまた教育者としての顔を持ち、北ドイツ放送交響楽団のソロチェリストとしても活躍。最近では、日本の九州公共楽団と共演するなど、日本との関係も深めています。
今回の演奏は、2018年の「くるみ割り人形」コンクールの開会式のフィナーレで行われました。演奏された楽曲は、ブラームスの「バイオリンとチェロのための二重協奏曲」で、ザハルブロン氏がバイオリン、ダビドゲリンガス氏がチェロを担当しました。この作品は、バイオリンとチェロの優れた独奏者によって演奏されることが求められる難易度の高い作品です。
観客たちは、彼らの演奏に魅了され、会場は奇跡の音色に包まれました。プロの音楽家としての経験と技術が存分に発揮されたこの演奏は、若手音楽家たちにとっても大きな刺激となったことでしょう。特に、普段は審査員として若手を見守る2人が、音楽家としても現役であることを示したことは、参加者たちにとって貴重な体験でした。
この演奏を通じて、ザハルブロン氏とダビドゲリンガス氏の音楽への情熱が感じられ、今後の活動にも期待が寄せられています。音楽界の重鎮たちのパフォーマンスは、若い才能にとってのインスピレーションとなることは間違いありません。次回のコンクールでも、彼らの演奏が観客を魅了することを期待したいです。