セルビアの国会で、野党議員による異例の行動が引き起こした混乱が報じられています。この出来事は、反政府デモが続く中で発生し、国会内にピンク色の煙が充満するという前代未聞の事態を招きました。
現場では、大音量の音とともに立ち込める煙が議員たちの演説を妨げ、混乱を引き起こしました。目撃者によると、野党の議員が発煙筒を焚いたことが原因で、国会内は一瞬のうちに煙で覆われました。議員たちは演説台に押し寄せ、乱闘状態になる中、煙の中からは発煙筒が飛び交う様子が見受けられました。
この騒動の背景には、国会の外で行われている反政府デモがあります。デモ参加者は「腐敗は人を殺す」と書かれた横断幕を掲げ、連日続く抗議行動を行っています。特に、最近の鉄道駅屋根崩落事故で15人が死亡したことが、反政府感情をさらに高めているとされています。
現場では、デモ隊による道路封鎖や、強引に通り抜けた車がデモ隊を引くなどの危険な場面も見られました。このような状況の中で、野党議員が発煙筒を使用したことは、デモ隊への支持を示すための行動とされています。地元メディアの報道によれば、その際に議員同士のもみ合いが発生し、2名が負傷する事態に至ったとのことです。
このような国会内での混乱は、セルビアの政治情勢の緊張を象徴するものであり、今後も反政府デモは続くと予想されています。国民の不満が高まる中、政治的な対話がどのように進展していくのか、今後の動向が注目されます。